体を簡単に手放して魂になったこと、ごめんなさい

そっちからだと、そういう感じで見えるのね。私は私の姿で映し出しているんだけど、面白いね。

今は混沌とした感じかなぁ？

目の前に草原があって、その中にある底なし沼のような感覚なの。

そう、私は恵まれていたのかもと思うことがあるの。

さっちゃんのおうちでごはんのことも心配しなくていいし、危険からも守ってもらえる状態で生活できたこと。

こっちへ来てから色々な魂のコに会ったけれど、中には 「怖さ」を聞いたりしていると、恵まれていたんだなと感じている。

そう、そのことなの。

「パパやママに会いたかった」
「お別れの言葉を伝えたかった」

と言ってくるコに多く出会って、 その悲しみと共に自分がいた環境のよさに感謝を感じていた。

それはないの。私がまだ知らなかったことをみんなが教えてくれたと思っているから

それだけではなくて・・。

「･･･。」
（悲しそうな、寂しそうな表情）

楽しかったし、学んだことも多かったと思っている。

さっちゃん達と一緒に過ごしたこと、どんなことをしても大体は多めに見てくれていたし。

小さい頃はドタバタとチィ達と走っていた

寒い日はコタツがあったら近くでぬくぬくしたり、みんなで一緒に寝たりしたことがよかったな

チィとはつかず離れずな距離感だったの。

チィを見ていると近寄っていいタイミングが分かっていた。時々その予測が外れて「違うもん！」って、チィに言われたこともあったよ。

クロタンは私から見ると神経質かも？と思うこともあった。優しいけれど、臆病なところもあったからだと思う。大きくなってからは、あまり近くにいないようにしていたの。

チィはしっかりしていて、少し気が強めなところもあった。高いところによくいた。

後は割り切りが早くて、ダメなときはダメ！のストップをかけることもあったかな。

私はお家の中で“見ている”ことが役目だったの。

“見守る”ことはルゥやチィがしてくれているから、私はただ“見る”こと。そして邪魔をしないこと。

例えば、さっちゃんが机に向かっているときには邪魔をしない。ただ近くにいて、さっちゃんの疲れがたまっていないかを上から下から見ていた。

時に必要なときはさっちゃんに“お疲れ様”の癒しエネルギーを送ることもあった。

“見守る”ことは、時には“ブレーキをかける”ことが必要だったりするの。そういうことはルゥやチィがさっちゃんに合図を送っていた。

私はそういうことをしないようにしていた。だから様子を“見る”ことにしていた。

３匹がそろって同じことをしなくてもいいと思うし、チィは“私がする”と言うし、 ルゥは責任感が強くて、常に私たちのバランスをとるようにしてくれていたから。必要ないかなと思っていたの。

不満なんて全然！私は“見る”ことによって、他の猫達を押しのけてまで 自己主張しなくてもさっちゃん達は平等に相手をしてくれていることも気づいていた。

ココは“弱肉強食”の世界ではないからマイペースで過ごしても安全なんだと言うことを知っていたもの

よかったことは、そのときの状況で誰に甘えに行ってもいいかなぁとチョイスできたこと。“見守っている”とそのことを優先していることになりやすいから。

私が“甘えたい”と思ったときはそのことを躊躇なく選ぶことができた。お母さんのお膝の上に乗ることもその一つだったな。

さっちゃん達に悪いなって思っていたのだけど、手術するのはあまり好まなかった。

病院が好きではなかったし、さっちゃん達の手から離れて託されることが苦手だった。それなら身体からバイバイすることの方を望んだの。

私のワガママを通してしまったことを悔やんでいるの。

さっちゃんが手術を決断したんだから、もっと頑張る方がよかったのかなって思っていたの。

それ以上にもっと頑張れば、みんながもっとナデナデしてくれる時間もあったのにね…。

私はツライと思ったことで手放してしまった。

このこともその中に入っているの。私はツライで手放ししてしまったこと。

他の魂は「会いたかった」、「ちゃんとバイバイしたかった」と言っているのに、私はなぜ、あっさりと手放したのかなって。

ちゃんとさっちゃんに会いたいと思っている。あのときはごめんなさいって。

ちゃんと伝えに行きたいと思っているの。今度はもっと元気に長生きしたいって。

コソッと何度も行ってるの。さっちゃんとお母さんが見ていた、動物が出ている番組も後ろの方で一緒に観ていたり。

私のときはそのあとに大きな地震もあったからというのもあるけれど、それでもテレビを見る回数は減っていたと思うし、チィがバイバイしたときも見る回数が減っていたような気がするの。

うん、好き！ルゥは物知りで気品があったの。

ちょっとしか歳が違わないのに、お兄ちゃんという感じなときもあったし、時には私たちと遊んじゃうぐらい子供っぽいところもあった。

そしてダメなところはダメっていうしっかりした感じもあって、そこに憧れを感じていた。

それはどちらも違う。私から見て“色々なことを教えてくれる先生”のような感じだったのかなって。

そんな感じかも！

それもある。ルゥが見てきた風景とか教えてって、よくルゥのお話を聞いていた。

今日はこんな雰囲気の人に触ってもらったんだよとか、教えてくれたよ。

全然思わなかった。ルゥにも無理だなって言われたし、ルゥが行っているのは“冒険”だって思っていたの。

私は“冒険”したいと思わなかったから。

その“冒険心” はなかったの。“好奇心”なら今日のごはんは？と思う方が楽しかったから！

もちろん気になった。焼き魚の日は魚をほぐしてくれることもあったから、とても楽しみだったの。

現世で生きている動物たちの身体へ入って、現世に行ったりはしているの。ただこの身体は違うかな？って思って、また戻ったりしてきちゃうの。

見える世界が見たい世界ではないからなの。もう一度体験できるのなら、さっちゃん達のところで生活した暮らしに近いのがいいかなって思っている。

恵まれていると気づくことができたから、その恵みを前よりも感謝して体験したいなと思っていて。

ただ、「ごめんなさい」をちゃんと伝えられるまでは、さっちゃん達のところにたどり着きたくないという気持ちもあって。

そのことが一番の“混沌”なのかもって感じているの。

そんな感じがする。いつか体験するつもりの次の身体で感じる世界は 心地よいのかもしれないから、戻って来ないかもしれないし。

まだ決められないの。