庭に遊びに来る子猫｜グッバイペットロス

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少し前から、子猫たちが庭に遊びに来るようになった。草木の間を飛び回っていて、とてもかわいい。昔飼っていた猫たちの子供時代を思い出した。

母猫もいっしょに来る。この母猫（数年前からよく現れていた）は、自宅から60～70mほど先の家の飼い猫で、自由に家から出られるようになっているらしい。そこは、同級生の男性の家だけれど現在、特に集まりや近所づきあいなどでのコミュニケーションはなく、高齢の父が2年ほど前に道路で倒れた際に彼は知らせてくれたことがある。

最初に見た2週間ちょっと前は、母猫と子猫3匹（茶トラ1匹、サビ2匹）だった。茶トラは♂のようで、サビ（基本的に♀）たちよりも少し大きめの体格をしていた。そのとき、恐らく生後3週間ほどと思われる。茶トラは運動神経もよいようで、とても早く走ることができる。

写真はイメージで、この子に似ている

家の周辺ではたまに野良猫を見かけるものの、10数年前に空き家（たぶん、ルゥやクロタンたちもここで生まれた）が解体されたため、野良猫が安全に出産する場所がなくなり、子猫を見かけることもなくなっていたのだ。だから、この辺りで子猫を見ることも、もうないのかなと思っていた。

それにしても、すごいくつろぎようで、草木が茂る庭で子猫2匹が2時間以上寝ているのだ。茶トラがサビの背中に手を回す格好で、いっしょに仲良く横になっている、微笑ましい姿が家の窓から見えた。

初めて来た、他人の家の庭で、どうどうと昼寝するか！？と私は驚きながら見守っていた。その日は夕方になると帰っていった。

実は、私は、ルゥが亡くなってから、「生まれ変わってくれるとしたら、今度は茶トラがかわいいかな」となんとなく思っていた。茶トラはまだ飼ったことがなかった。

そして、3年前にミィのアニマルコミュニケーションを行ってもらったときの次のメッセージを思いだした。

小さい猫の男の子が来たら迎えてあげて
私じゃないけど家族になくてはならない、大事な存在になるから
誰だかわかるはず。

先に亡くなった猫が、昨年逝った猫の生まれ変わりが♂だと伝えてきた

それ以降、どんなふうにこの日が来るのかと、さまざまな想像をしていたときがあった。今起こっているのは、まさにこのことじゃないかと、とても気になった。

しかしながら、現在の私は、クロタンが亡くなる前の闘病生活がかなり苦しいものであったため、その後は、ペットを飼うことで、あのような体験はもうしたくないという気持ちが強くなっている。

最初にこの子たちを見たときから、さらに2週間ほどたつと、サビの子猫2匹は現れなくなり、母猫と茶トラだけになった。優しい人にもらわれたのであればよいけれどと願った。

事件は、5日ほど前、午後から豪雨になった日だ。その強い雨の音の中で、子猫の鳴き声が聞こえた。私が鳴き声を頼りに探すと、茶トラがテラスの下の荷物（物置小屋の改築工事をしており、荷物を一時的にそこに置いていた）がごちゃごちゃ置いてあるすき間に隠れていた。キャリーバッグやプラスチックの買い物カゴなどが置かれ、その上にシートが被されていた。その一角にダイニングチェアがあり、その4本の脚部のすき間に茶トラは入っていたのだ。ここなら雨は降り込まないし、周囲から見えないし、安全だ。

少したって、雨の中、ニャーニャーと母猫が探しに来て、茶トラを見つけた。母猫は中に入った。連れだそうと自分は出たが、茶トラは付いていかなかったようだ。激しい雨の音が恐いのだろう。母猫はそこで一晩寄り添うことに決めたようだ。7月と言えど、雨の夜は冷え込むし、子猫1匹では衰弱してしまうかもしれないから、母猫が来てくれたことで、私は少しほっとした。

夜に、冷蔵庫の中にあった豚肉をスライスしたものを小刻みにし、お湯を混ぜたものを猫用の皿に入れた。私の母は、「餌をあげると居着くから、だめだよ」と言ったが、私は「雨で帰れないから今日だけ」といって押し切った。

荷物の中のすき間に皿を置いた。子猫は歯が生えているだろうかと思いながら、寝ることにした。飼い主も心配しているかもしれない。

翌朝も強い雨が降り続いていた。見に行くと、皿は空になっていた。猫たちが食べたのだろうか。しかし、その付近に黒い小さめの羽がいっぱい落ちていた。

カラスだ！カラスが豚肉のにおいを嗅ぎつけてやってきたのだ。母猫は追い払おうとしたに違いない。その乱闘の中で、カラスの羽が落ちたのだろう。

奥を見ようとしたけれど、猫たちの姿は見えなかった。この雨の中を帰ることができたのだろうかと心配だったが、しばらくして子猫の鳴き声がした。まだテラスの下にいたのだ！

私は、再度、豚肉を刻んで皿に入れた。午後に見にいくとそれは空になっていた。食べてくれたようだ。午後3時過ぎになって雨はやみ、茶トラは庭で遊び始めた。

私を見ると、逃げるし、目が合っても、「この子は生まれ変わりだ！」とピンと来るものも特にない。恐らく、ペットを飼おうという気持ちがなくなっていることもあるのかもしれない。

今後、どうなるかはわからない。もしかしたら、茶トラは誰かにもらわれてゆくかもしれない。私は、自分から子猫をゆずってほしいと、飼い主に伝える気持ちはないし、成行に任せようという考えである。

ただ、また元気に遊びに来てほしいとは思っている。